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コラム 家賃侍が不動産業界を斬る

第六回 改正建築基準法を斬る!の巻

今年の1月31日に国土交通省から2007年度の新設住宅着工戸数が発表された。
その内容は新設住宅着工戸数が前年と比べ17.8%の減少しており、前年実績を下回るのは5年ぶりだという。

この減少の原因のひとつに、2007年6月20日から施行された改正建築基準法の影響が挙げられるだろう。施行前後を比べると、1月〜6月の実績は、前年比2.2%の減少に対し、7月〜12月は前年比32.1%の大幅な減少になっている。

そもそも、建築基準法が改正されたのは、2005年末に起きた耐震強度に関わる構造計算書偽装事件が発端となっている。まだ記憶に新しいと思うが、当時のニュースがこの話題しか扱っていなかったように錯覚するほどの問題であった。かくいう私も当時は「自分の住んでいるマンションの耐震は大丈夫かな?」と不安になったほどである。

今もこの事件については、裁判が行われており、3月25日には、詐欺罪に問われている「ヒューザー」元社長:小嶋進被告に対して裁判所は、懲役3年/執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡している。

このようにニュースで扱われるたびに消費者の不安が日々高まり、検査の厳格化を求める声が高まったために建築基準法の改正の動きへとつながった。
この改正はマンションの購入者や販売者側からすると、安全なものを売り買いすることになり改正の狙い通りになるが、一方でマンションの建設側からするとよろしくないことになっている。つまり、審査が厳格化したことで建築確認審査期間の大幅延長や申請書類の膨大化、建築確認する側の人手不足などが重なり、審査が下りるまでに従前より相当時間がかかってしまう。それは建設の開始が遅れることを意味しており、冒頭に書いた新設着工戸数の大幅な減少と一致するわけである。

着工までに時間がかかるということは、販売時期が遅れることである。それは消費者にとっては打撃になる。つまり、販売側は販売することで得る資金の回収が遅れ、債務が増えるためその穴埋めをするために販売価格を吊り上げられるからである。

そもそもは消費者の立場を考えて改正された建築基準法である。それが結局のところ消費者にとっては良くない結果に繋がっている。

マンションの購入というのは一生に一回というのが普通であろうし、妥協をせずに良いものを安くで手に入れたいというのが本音であろう。そんな消費者の心境を巧みに利用して不安を煽り、大手デベロッパーを中心としたマンション業界が、今回の事件からも美味い汁を吸おうとしているように思えてならない。

今は力のないデベロッパーは倒産しているところも多い。力のある者たちが国会をも動かし、消費者保護の名の下に法律を変えてしまい、力のある者たちがさらに力を増大させる。マンション業界に限ったことではないが、利権が絡むような場所では良くある話なのであろう。

今回のヒューザーの元社長:小嶋進被告の行ったことは許されるべきことではないが、私から見れば小嶋被告はただ単にババを引かされたに過ぎない、と見てしまうのである。

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